
2026年、日本の中小企業は、止まらない物価高騰に加え、歴史的な高水準での「賃上げ」が常態化し、“二重のコスト増”という深刻な課題に直面している。中小企業の資金調達支援を行う株式会社融資代行プロは、直近3年以内に資金調達を行った全国の経営者306名を対象に「資金調達に関する調査」を実施した。
~人的投資を「未来の価値」として評価する、新時代の資金調達へ~
調査では、今後3年間で「賃上げ・ベースアップ」の原資確保を目的とした資金調達が必要と答えた経営者は20.3%に上り、エネルギー価格高騰への対応策(18.6%)を上回る課題となっていることが分かった。しかし、現場では「将来性」への評価が得られず、前向きな資金調達に苦慮するケースも少なくない。
そこで、賃上げという「未来への投資」を成功させるための、新たな評価基準への対抗策を提示する。
●評価のミスマッチが「賃上げ倒産」の障壁となる懸念
賃上げは本来、企業の成長力を高める投資だが、現行の融資審査基準では「事業性」や「将来性」が評価されにくい傾向にある。調査では、融資審査で重要視されると感じるポイントとして経営者の37.6%が「返済能力」を挙げる一方、「将来性・成長性」を評価されていると感じる経営者はわずか5.2%に留まった。
不動産業や建設業のように、プロジェクト完了までに時間を要し、将来の収益性こそが価値である業種にとって、過去の決算書や現在の返済能力を絶対視する審査は、人的投資への道を狭める要因となる。
この評価のずれは、資金調達の課題として挙げられた「審査ロジック・基準がわからない(19.0%)」にも現れており、融資活動における「暗中模索」状態を加速させていると言える。
大切なのは、金融機関が納得できる形で『事業の価値』を可視化することだ。資金が必要になってから慌てるのではなく、早い段階で客観的かつ専門的な視点を取り入れ、戦略的に融資計画を設計することが、賃上げ倒産を防ぐための有効な手段となるだろう。
■調査概要(参考)
調査タイトル:資金調達に関する調査
調査期間:2025年12月
調査方法:インターネット調査
調査対象:直近3年以内に資金調達を行った全国の経営者
有効回答数:306名
調査結果詳細:
https://financing.web-matching.com/news/originalresearch-1/