
株式会社帝国データバンクは、「洋菓子店」の倒産発生状況について調査・分析を行った。
「手頃な街のケーキ屋さん」で、特に苦境が鮮明に
それによると、2025年度に発生した「洋菓子店」の倒産(負債1,000万円以上、法的整理)は65件に上った。
物価高を背景に急増した前年度の51件から14件・約3割増加し、2年連続で最多を更新した。
急速に進んだ物価高の影響で、材料費が高騰する一方、専門店に匹敵するようなコンビニスイーツなどの台頭で、特に400~600円前後の中価格帯スイーツでの価格・獲得競争が激化しており、値上げが難しい「手頃な街のケーキ屋さん」で、特に苦境が鮮明となっている。
小麦粉のほか、バター・クリームなどの乳製品、カカオなどあらゆる原材料価格が記録的な高止まりを見せているほか、包装資材や人件費、水道光熱費などの上昇も重なり、洋菓子店の収益力は急激に低下している。
他方で、節約志向の高まりに加え、従前まで街の洋菓子店が得意としていた中高価格帯にコンビニスイーツが進出したほか、店舗拡大を進める大手洋菓子チェーン店との競争にも晒された。
その結果、客離れを恐れてコスト上昇分を価格に反映できない「板挟み」に直面し、地域で複数店舗を展開する中堅の洋菓子店では、利益を確保できずに淘汰されるケースが多く発生した。
(坂土直隆)