
帝国データバンクでは、2024年度で発生した負債5億円以上の倒産(法的整理)を分析。倒産前後や手続き内での事業譲渡や自主再建等によって、法的整理後も当該企業の「事業」が存続したものを「事業存続型倒産」と定義、集計した。
概ね3社に1社が事業を存続
それによると、2024年度の事業存続型倒産(負債5億円以上)は、前年度を4件上回る161件判明し、3年連続の増加となった。
一方で、全倒産(同)に占める事業存続型の割合(事業存続率)は32.9%と、前年度から0.2ポイントの微減。概ね3社に1社が事業を存続している状況に変わりはなかった。
業種別では「サービス業」が43件(存続率42.2%)で最多となった。また、以前から事業存続型が少ない傾向にあった「建設業」では、人手不足に伴う施工能力の確保に向けたロールアップの動きなどを背景として、件数、存続率ともに上昇した。
業種細分類でみると、主に調剤薬局を営む「医薬品小売」が最多の7件で存続率100%。これは、2つの企業グループで、それぞれまとめて事業譲渡が成立した事例で、以前からM&Aが活発な業界であり、比較的事業存続がしやすい環境にあると、帝国データバンクでは推察している。
(坂土直隆)