
株式会社帝国データバンクは、2万6,389社を対象とした2025年5月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表した。
物価の上昇や「トランプ関税」への不安感が響き、力強さを欠く展開に
それによると、2025年5月の景気DIは、前月比0.1ポイント減の42.6となり、2カ月連続で悪化した。国内景気は、大型連休が下支えする要因となったものの、物価の上昇や「トランプ関税」への不安感が響き、力強さを欠く展開となった。
5月は、大型連休による人出の増加が、大企業を中心に不動産業や娯楽関連を押し上げたほか、インバウンド需要も引き続き堅調だった。
他方、米価をはじめとする物価上昇で、個人消費が低調だったことに加えて、大手自動車メーカーの動向が製造業の重荷となっていた。さらに、仕入れコストの負担増が続いたことや受注減少が悪材料だったほか、長引く人手不足も下押し要因となった。
帝国データバンクは、今後の国内景気は、トランプ関税の行方が不透明感を高める一方で、高水準の賃上げとインフレ率の低下による実質賃金の増加がカギを握ると予測。インバウンド需要の継続、減税や物価高対策、大阪・関西万博、IT関連の設備投資が、景気を下支えする材料になると、分析している。
(坂土直隆)