
株式会社帝国データバンクは、2万6,162社を対象とした2025年8月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表した。
記録的猛暑の影響で、飲食関連や熱中症対策商材、エアコンなどに特需が生じる
それによると、2025年8月の景気DIは、前月比0.5ポイント増の43.3となり、3カ月連続で改善した。国内景気は、米国の関税政策に不確定要因が残るものの、猛暑による川上から川下までの特需や全国の建設需要がけん引し、上向き傾向が続いた。
8月は、記録的猛暑の影響で飲食関連や熱中症対策商材、エアコンなどに特需が生じ、幅広い業種に波及した。
日経平均株価が過去最高値を更新するなど、金融市場は活況だった。公共工事の発注が続き、建設需要も堅調に推移したほか、旅行関連は好材料だった。
帝国データバンクでは、一方でトランプ関税をめぐる日米合意後の混乱は外需の逆風となったほか、屋外レジャーの低迷や価格転嫁の遅れも、下押し要因だったとしている。
また、今後は、実質賃金と手取り収入の改善、そしてインフレ対策が個人消費に与える影響が焦点となる。AI関連の設備投資と訪日客の増加は、景気の下支え要因であると予測している。
(坂土直隆)